きみだけに、この歌を歌うよ





「実はあの曲、菜々のことを思い浮かべながら書いたんだ」

「えっ……?」

「なないろの光は、菜々色の光って意味なんだ。母さんが死んで何もかもがどうでもよくなってたけど……。菜々がいてくれたから、俺はまたステージに立つことができたんだよ」



私が、いたから?



びっくりして顔をあげた。

九条くんにまさかそんなこと言われるなんて、これっぽっちも思ってなかった。



「菜々はすげぇ泣き虫だけど、でも笑うとすげぇ明るくて。周りにいる人までも明るい気持ちにさせるような……。そんななんか、光みたいな存在だなって思ってた」