きみだけに、この歌を歌うよ





「泣くほどよかった?」



九条くんだって、からかうように笑いながら私の顔を覗いてくるし…。

泣き虫な自分が恥ずかしくて、火照った顔をつんと背けた。



「もう……笑わないで」



だけど、こうして久しぶりに浜辺で話せて、すごくドキドキしてる。

思わず泣いてしまったのは、九条くんに会えて嬉しかったからなのかもしれない。



いまなら……言える。

私の、正直な気持ちを。



「九条くん……あのね」



背けていた顔を戻すと、九条くんは微笑みながら首を少しだけ傾けた。