きみだけに、この歌を歌うよ





石はぴょん、ぴょん、とまるで生きているかのように水面を飛び跳ねて。

10回ほど跳ねた先で、のまれるようにして海面に消えた。



「わっ、すごーい!それ水切りってやつだよね?どうやってやるの?」

「あぁ、いまのやつ?そうだなぁ…まずはひらべったい石を探すことだな」

「んじゃあ探そっ!ねぇ、九条くんも一緒に探してよぉっ?私もやりたいっ」

「えぇ……俺も?」



九条くんはめんどくさいな、とばかりに大きなため息をついた。

かと思えば、ぷっと吹き出すように笑いはじめた。