「……なぁ、なんで石投げ勝負しようなんて言ってきたんだよ?」 浜辺についてさっそく…。 ゆらゆら届く波に向かって小石を投げつけたはいいものの…。 「あれ〜……おかしいなぁ?」 投げても投げても、小石は遠くに飛んでいくことはなくて。 斜めしたに飛んでは、2メートル先にぽちゃんと落ちるばかり。 「そんなんじゃ小学生にも勝てないと思うよ?」 「む〜……。じゃあ九条くんやってみてよぉ?」 九条くんは足元に落ちていた手のひらサイズの平たい石を拾いあげると、ヒュンッと水面に投げつけた。