きみだけに、この歌を歌うよ




愁は、ハハハと陽気に笑っているけれど…。

私にとっては、ぜんぜん笑えないことだった。



「ごめん……愁。私なんか庇ってくれたばっかりに…」

「だから菜々のせいじゃねぇって!そんなことよりも行こう?」



愁はいったん引っ込めた手を、また差し出してきた。



「愁くんは来なくていいの!私が行くわ、ほら立ってよ菜々!」



だけど梓が愁の手をパシンとはじいて、私の手をぐいっと掴むもんだから。

私は愁にごめんね、とだけ言って引っ張られるように体育館をでた。