きみだけに、この歌を歌うよ




わからない。

いくら頭を捻っても、愁が何を思っているのかがわからない。



「おーい菜々、なにぼーっとしてんの?おいて行くぞ?」

「あっ、待ってよ九条くん!」



歩きだした九条くんのあとを、小走りで追いかけた。



「この道ももうすっかり見慣れたな…」



校門からまっすぐに伸びる桜並木を歩いていると、九条くんが突然しみじみと話しはじめた。