そうは思っていても、 愁が好きだって気持ちが消えたわけじゃない。 好きだからこそ、 好きな人には幸せになってほしいって、そう考えることにした。 だって愁は、私と別れてまで杏里ちゃんと一緒にいたかったんだもんね。 「いや、俺はなにもしてねぇから。ただハンカチかしてやっただけじゃん」 「辛いときにそばにいてくれたでしょ?それがね、すごく力になったんだよ」