『ちょちょちょっ、菜々!あの転校生くん、やばくない⁉イケメンすぎない⁉』
それは、今日の休み時間。
鼻息を荒くさせている梓に、肩をバシバシ叩かれたときのことを、九条くんの背中を眺めていて思いだした。
『ねぇ、そう思わない!?』
『イケメンかぁ。まぁたしかにねー、モデルさんみたいだよね』
梓は本人がすぐ横に座ってるっていうのに、大胆なことを言ったりしていて。
ぜったいに九条くんの耳に届いているだろうなって、なぜだか私が恥ずかしくなってしまったんだよね。
でも……。
ふだん、私はイケメンとしか付き合わないって日ごろから豪語しているあの梓が。
目をハートにさせて興奮するのも、納得のルックスではあると思った。


