きみだけに、この歌を歌うよ




ざり、という砂を踏む音。

そして、聞き慣れない低い声。



「ふぇっ⁉あっ……九条くん!?」



なんでここに九条くんが……?

まさかいるとは思ってなくて、振り返った瞬間に心臓が止まってしまうかと思った。



いつから私の後ろにいたんだろう。

声をかけられるまで、九条くんの気配に気づかなかった。