「知ってるよ。わかったわかった、じゃあこれからは菜々って呼ぶよ」 「な……ななななな菜々?」 「そう、菜々。ダメ?」 琴野、ではなくて……? 嫌なんてことはないのだけれど…。 私を下の名前で呼ぶ男の子は、これまで愁だけだったから慣れなくて恥ずかしい。 「いや……ぜんぜん、ダメじゃないけど…。琴野、とかでもいいよ?」 「菜々がいい。そっちのが短いし呼びやすいじゃん」