「あれ、今日はバカヤローって叫ばないんだ?」 九条くんがギターをもったままクールに笑いかけてきた。 「海に来るたびに叫んでるわけじゃないもん…」 「そう?でも今日は、嫌なことがあったから叫びたい気分って顔だな」 「なっ……そんな、ことは……」 ……鋭い。 なんで? 私、九条くんに簡単に心情を悟られてしまうほど落ちこんだ顔してた?