3棟すべて見て回るのは、さすがに時間がかかってしまう。 九条くんは白いスマホをブレザーのポケットにしまうと、スクールバッグを持って席を立った。 「とりあえず、いま私たちがいるのは2棟の校舎ね。2年3組の教室があるのは2階だから…」 どこから案内しようか…。 4階から1階というふうに、上から案内をした方が楽かな? 「まずは4階にあがろっか?九条くん」