吸い込まれそうな瞳に身震いした。


悪寒じゃなくて、衝撃のように。





顔が熱くなる感じがして目を逸らし、少し熱を冷まそうと吾妻に話しかけようとしたが、新しい担任が入ってきて、席に着くしか選択肢がなくなってしまった。



若干下を向きながら席に向かう。



座り、カバンを机に引っ掛け、落ち着かないため座り直した。







「…長谷川くん?」







凛とした通りやすい柔らかな声



するっと耳に届き、驚きながらも声のする方へ顔を向けれた。





「…ふっ」





そんなに間抜けだったか?



ゆうり と呼ばれた彼女は俺の顔を見るなり笑った。






「ごめんなさい! 急に呼んだら驚くよね…?」


「…いや、大丈夫…」


「バスケ部の長身の長谷川くんだよね?」


「…え??」


「前に練習だけど見たことあって、知ってるの すごい高い人いるなぁ〜〜と!


私のことは知らないよね?」






人懐っこい瞳を向けられ、怖気付きながらも、頷いた。





「秦野悠莉です よろしくね」






大きな少しつり目のパッチリとした瞳は笑うと三日月みたいに細くなった




可愛いと思った。



目を少し逸らし、「長谷川純也です」と言うと、知ってる〜〜!と、また笑う。





こんなに嫌味もなく人のテリトリーに入れる彼女は今日の一瞬でクラスのみんなと仲良くなった。


そして、驚異の記憶力。



帰りには全員の名前を呼び挨拶をしていた。





全員知り合い?と疑うほど