知り合いも何人かいつつ、初めて見る顔の奴もいて、新しいクラスは浮き足立っていた。
その中で、当たり前のように教室に入ります当たり前のように、席に着く生徒がいた。
誰も彼女のその行動に目を向けなかったが、なんだか気になってしまった。
「ゆうりーー! 同じクラスだったんだ!!」
「あ、みのり! よろしくねー!」
ゆうりと呼ばれた彼女はパッと顔を上げた。
可愛らしいが活発そうな子だ。
「純也、お前席一番後ろじゃん!いいなー!」
「それは嬉しい」
「まぁお前人より背が高いし後ろで丁度いいかもな」
吾妻は168センチと男子にしては小さめの身長を気にしてか、180ある俺に皮肉交じりに笑いながら言った。
はははと乾いた笑いを投げ座席表を自分でも確認した。
…あの子の隣だ。
振り向くと、あの子と目があった。
