あの無表情なクライアンの顔に苦笑の表情が宿った事に驚く
「一体特別な本ってなんなの?」
「着いてからのお楽しみです」
クライアンが白い手袋をハメたきしゃなのに男らしい腕を掲げる
ひゅいっとクライアンが腕をひとふりすると、ガタガタっと本が動く
「……!…………」
そのまま、華麗な手さばきでまるで合奏の指揮者をしているように上下左右へふる
それに合わせて本たちもワルツを踊るようにタンタンと立ち退く
そして残ったのは、空っぽになってさみしそうな本棚が
クライアンはそれをも立ち退けさせる
「いつ見ても驚くわ、あなたの魔法は」
「正確に言えば、魔法というメルヘンティックな感じじゃなく、そうですね…操ってる…感じです」
「……ふーん」

