いつの間にか、僕の目の前に来ていた仁藤くん。
わざわざ腰をかがめて、僕と目線を合わせようとしています。
僕は意地でも合わせません。
「……ッ。もう、ほっといてください」
「無理。だって結城、泣きそうじゃんか」
「どうして……そんなこと、言うんですか」
僕たちは別に友人なわけじゃない。
放課後の勉強会が終われば、この関係も終わって、何もないただのクラスメイトになる。
……それとも、それこそが僕の勘違いですか?
おそるおそると顔を上げると、やわらかい眼差しを向けてくる仁藤くんがいて。
らしくないですね、なんて笑い飛ばせる雰囲気でもない。



