いいえ、クラスメイトですからね。

助け合いも必要でしょう。


ただし、それも仁藤くんにやる気があれば、の話です。

いわゆるお察しくださいというヤツである。


ですが文句を言いながらも、しぶしぶと彼が机に向かったのを確認して、僕も自分の勉強へ戻る。

なんだかんだで仁藤くんはやればできる子なのである。

これまでの、両手でも足りないくらいの放課後の勉強会での結果を思い出せば分かります。

教科書を読めば、たちまち理解をしてしまうそうだ。

彼はやる気がないだけで、いったん始めれば人並み以上にできる人なのです。