背中合わせ。

一年通って草花以外何も変化のないこの道もまた私みたいに同じように思って通る子がいるんだなあ…。


そう思うと少しまた頑張ろうと思えた。








そんな時2人の同世代ぐらいの男の子が歩いてくる。


「あのすいませーん!」


どうやら私みたい。
その1人が私に歩みよってくる。


「この住所知りませんか?知り合いがいるんすよ。」

「ええと…ここを真っ直ぐ行って突き当たりを左折してすぐですよ。」

「ありがとうございました!良かったなー祐介っ!」



…祐介?


地図に落としていた目をあげ、視界に入ってきたのは、彼だった。

「失礼しました。」



ぶっきらぼうに祐介はそういって一緒にいた子と私の指示した道へ行く。





ああ、
逢いたくなかった。

一番逢いたくなかったや。


一瞬顔を見ただけなのにいい思い出しか浮かばない。