「…別れようか」


久々に顔を合わせ、どことなくよそよそしい空気が漂う中、先に言葉を発したのは私だった。


横目で彼を見ると少し驚いたように私を見て、また前を向く。




「…うん。」



ゆっくりと時間だけが流れていく。


私が小さい頃からよく遊びに来ていたこの公園が、このブランコが全く知らないモノに見える。

全てが白黒の世界。





彼のたった2文字がこんなにも私の心をかき乱す。

取り戻しの利かない現実をつくっていく。

転がり始めた石ころは坂を下るまで止まることはないもので。