『え!?鈴ちゃん本当!?嬉しい!!それじゃあ、一緒に頑張ろうね!!』


『うん!これからもずっと一緒だよ!約束!』



だけど、この時交わした約束は。



『公立高校に進学したい?何を言っている。西園寺家は代々、花ノ宮学園に通うと決まっているんだ』



“西園寺家”の名の前に儚く散ってしまった。







『好実ちゃんて、鈴ちゃんと一緒に公立高校に行くんじゃなかったっけ?』


『ううん。鈴ちゃんは無理無理!だってあの子、西園寺家の子だもん』



好実ちゃんに一緒の高校には行けないと告げた次の日の放課後。


忘れものを取りに教室に戻った私は、好実ちゃんがクラスの子達とそう話してるのを聞いてしまった。


約束を守ることができなかった私も悪い。


だけど、好実ちゃんも他の子達と同じで、西園寺家とセットで私を見ていたんだって、凄くショックだった。



『やっぱり……誰も私のことなんて……』



涙が溢れて止まらなかった。


公立高校に行くことに賛成をしてくれなかったお父さんも、好実ちゃんも、西園寺家に生まれてきた自分自身も大嫌い。


どうせこうなるなら、最初から一人ぼっちがよかった。


友達なんていらなかった。


誰にも関わりたくなかった───。







「本当のお前って何だよ?」


会長は、ゆっくりと私を地面へ下ろす。


地面についた足元から会長へと視線を移せば、真っ直ぐな会長の瞳に射抜かれた。