って私、思いっきり担がれてますけどーー!?!?
「ちょっと!!離せバカ!!何人を米俵みたいに担いでんのよ!!下ろして!!」
「野々原、お前のクラス、どこで練習してるんだ?」
「え?あぁ、体育館裏のスペースだけど…」
「わかった」
「人の話を聞けーー!!」
会長は私を担いだままスタスタと歩き出した。
*
「会長!待ってってば!どこ行くの!?」
「お前らのクラスが練習してるとこに決まってるだろ」
「やだやだ!ダメだってば!!」
会長は私を担いだまま、体育棟のある場所へと続く階段を下りていく。
じたばたと抵抗しても、会長は全く動じない。
何なのもう!
何でそうやっていつも強引なの!?
ちょっとは私の気持ちも考えてよ!!
「アンタみたいに……何でもかんでも完璧にこなせる人間にはわかんないよ!」
抵抗を止めてそう叫ぶと、会長の足がピタリと止まった。
「嫌なんだよ!友達とか、仲間とか。面倒臭いの!いらないの!」
もう傷つきたくない。
「どうせみんな、私のことなんて“西園寺家”とセットでしか見てないじゃん!本当の私なんて見ようともしてくれないじゃん!」
あの時みたいに傷つくのは嫌なんだ────。



