「そういえばアンタ、野々原先輩と同じクラスですよね?野々原先輩、今日午後練出てから生徒会に顔を出すって言ってましたけど……。あーもしかして、サボりですか?」
わざとらしくケケケと笑う小森。
こ、小森のヤツ!余計なことを!!
覚えとけ小森!
今度会ったらそのメガネのレンズに渦巻き描いてやるからな!
睨みつける私にべっと小森が舌を出す。
「ほぅ。サボりか。いい度胸だな」
その隣にいた会長の目がギラリと光る。
背後からは真っ黒なオーラ。
まずいまずいまずいまずい。
殺られる殺られる殺られる殺られる。
「ち、違うから!き、今日はちょっと調子悪いから、みんなにちゃんと言って帰らせてもらったの!」
よっしゃ!
我ながらナイスな言い訳!
これなら何とかこの場を切り抜けられそう!
……なんて油断してたら。
「西園寺さーーん!」
げっ!
野々原さん!?
うちのクラスが午後練で使ってる体育棟の方から、野々原さんが息を切らして走って来た。
「はーっ!よかった間に合って!西園寺さん、この間の午後練帰っちゃったでしょ?今日こそ出られないかなって声をかけに来たの!」
ギャーー!!
この人、全部しゃべりやがったーー!!



