う、うそでしょ……?


みんなすっかり盛り上がってるし……。



「よっしゃ!それじゃあ、みんなで力を合わせて優勝しましょう!!」


「オーーッ!!!!」



どうしてこうなるのーーー!?









簡単と言うか、現金というか……。


うちのクラスの子達のどこにあんなやる気が隠されていたんだろう?


心の中でブツブツとごちながら1階へと続く階段を下る。


イベント事に燃えないクラスだからってすっかり安心しきってたのがいけなかった……。


球技大会の練習は、さっそく今日の放課後からスタートするらしく、教室では帰りのホームルームが終わったってのに誰も帰らなくて、


ジャージに着替えた男子やらスカートの下にジャージを履いた女子やらで和気あいあいとした雰囲気だった。


みんないやに気合が入ってたな……。


焼肉恐るべしだよ。


しかし、それにしたってああいう雰囲気は居心地が悪い……。


盛り上がるクラスメイト達の横を静かに通り過ぎて、練習に参加せずに帰ろうとしてる私はきっと最低だ。


最低も何も、みんな端から私なんか必要としてないんだけどね。




昇降口につくと、下駄箱からローファーを取り出す。


上履きをしまってローファーを履き、トントンとつま先を打って踵を入れていると。



「今帰りか?」