我ながらアホみたいなネーミングセンスだ。


まぁ、簡単に説明すれば、会長に見えるようにリビングのローテーブルの上に返ってきた答案用紙を置いておく。それだけ。


私はその隣のソファーで寝たフリ。


「見て見て!」ってはしゃいで持っていくより、こっちのが幾分か気が楽だからね!


ギシッという音と共にソファーが沈む。


ちょっ!!近っ……!!


何で座って来るのよ!!


3人掛けのソファーに寝そべる私と、その空いた空間に腰を下ろす会長。


ぐぬぬ……!


動くな私!バレてしまう!!



「……へぇ。やるじゃないか」



今……今、褒めたよね!?!?


やだどうしよう。


飛び跳ねちゃいそうなくらい嬉しい。



「お前、やっぱりやればできるんだな」


「……っ」



私の前髪をクシャリと撫でた会長の手はものすごく優しくて……。


さっきまで、ハラハラして高鳴っていた心臓が違う意味で高鳴り出すのがわかって、ギュッと手を握る。


何でコイツは……こんなにも優しく触れてくるんだ……。


サラッと前髪がかき分けられるのがわかって、思わず開けてしまいそうになった目をまた強くつむる。


なにこれ……。


体、熱い。



「よく頑張ったな」



温かくて湿った感触が、額にあたる。


え?これって……?