無言で私の腕を引いて歩き出す会長。
驚く小森を残しまま、会長は私を生徒会室から連れ出した。
*
誰もいない放課後の図書室。
窓から茜色の夕日が差し込んでいる。
そこまでやってくると、会長はようやく足を止めた。
「はぁ、はぁ、ちょ……っアンタね……本当に何なのっ……」
アンタ自分の足の長さわかってる!?
待ってって言ってるに全然待ってくれないし、それどころか、私の手を引いたままズンズン先を行っちゃうし、ずっと小走りしてたこっちの身にもなれっ!
必死で息を整えていたら、私に背を向けてた会長がようやく振り返った。
夕日に照らされ浮かび上がった会長の横顔が、何だか余裕がないように見えてドキッとする。
気のせいかな?
「会長……?」
私の手首を掴む会長の手に力がこもった気がした。
「正貴に……見てもらってたのか?勉強」
「え?あ、うん。野々原さん、今日早く帰らなきゃ行けなくて……。分からないところがあるって言ったら小森も一緒に考えてくれて……」
な……何だ?この雰囲気。
会長、何でさっきから不機嫌そうなの?
「俺に聞け」
「え?」
「そういうのは、俺に聞けばいいだろ」
私の後ろの本棚に手をついて、鋭い視線を向けてくる会長。



