無言で私の腕を引いて歩き出す会長。


驚く小森を残しまま、会長は私を生徒会室から連れ出した。








誰もいない放課後の図書室。


窓から茜色の夕日が差し込んでいる。


そこまでやってくると、会長はようやく足を止めた。



「はぁ、はぁ、ちょ……っアンタね……本当に何なのっ……」



アンタ自分の足の長さわかってる!?


待ってって言ってるに全然待ってくれないし、それどころか、私の手を引いたままズンズン先を行っちゃうし、ずっと小走りしてたこっちの身にもなれっ!


必死で息を整えていたら、私に背を向けてた会長がようやく振り返った。


夕日に照らされ浮かび上がった会長の横顔が、何だか余裕がないように見えてドキッとする。


気のせいかな?



「会長……?」



私の手首を掴む会長の手に力がこもった気がした。



「正貴に……見てもらってたのか?勉強」


「え?あ、うん。野々原さん、今日早く帰らなきゃ行けなくて……。分からないところがあるって言ったら小森も一緒に考えてくれて……」



な……何だ?この雰囲気。


会長、何でさっきから不機嫌そうなの?



「俺に聞け」


「え?」


「そういうのは、俺に聞けばいいだろ」



私の後ろの本棚に手をついて、鋭い視線を向けてくる会長。