「そんなことよりちょっと静かにして。この問題、解けそうで解けないの」



他の問題は、ある程度なんなく解けるようになったんだけどなぁ。


会長め。


さすがと言うべきか。


プリントの最後の方は、応用問題でかためてやがる。


むむむ……。



「西園寺さんごめんね!教えてあげたいんだけど、私今日家の用事があって、もう帰らなきゃいけないの!」


「ありがと。大丈夫。気を付けて帰って」



そう言うと「ありがとう!」と言ってニッコリ笑った野々原さんは、「それじゃあ明日!テスト頑張ろうね!」と手を振って、慌てて生徒会室を出て行った。


小森と二人きりになった生徒会室。


気まずいなんて言ってられない。


テストは明日だ。


まいったな。


解けなかったら、仕方なく担任にでも聞きに行くしかないか。


……なんて思っていたら。



「俺でわかりますかね?」



カタンと椅子を引いた小森が、私の隣の席に座った。



「うわっ。アンタ、こんな難しいの解いてたんすか」


「わかる?」


「いや…さすがにこれは……。まぁ、解いてみますけど」



小森と一緒にあーだこーだ言いながらプリントと睨めっこ。


今にも額同士がくっついてしまいそうなくらい近づいてるにも関わらず、そんなの気にならないくらい没頭してた。