こんなに心がポカポカと温かくなるのを感じたのは、お母さんが生きていた時以来かもしれない。


そう思うと、また涙が止まらなくなった。











それからというもの、私は心を入れ替えたように勉強に明け暮れた。


こんなに勉強に没頭したのは、高校受験の時以来だ。


朝も昼も夜も。会長が作ってくれたプリントをひたすら解いて、分からないところは野々原さんが教えてくれた。


お風呂の中でものぼせるまで、さっきまで解いていた問題を暗唱して、ご飯を食べてる間もプリントと睨めっこ。


会長と二人きりの食卓は気まずいから丁度よかった。


そう。


あれからというもの、会長とは日常生活における最低限の会話しかしてないのだ。


明らかに私が悪いのはわかってるし、きちんと謝りたかったけど、普段からの意地っ張りな性格が災いして、なかなか話を切り出せないでいた。


会長も会長で何も言ってこないし、“勝手にしろ”って言ってただけあって、勉強会にもあれから一度も顔を出さない。


くっそぅ!


そこまで徹底しなくてもさっ!


確かに、もう関わるなって言ったのは私だけどさっ!




そんなこんなで、あっという間に中間テスト前日───。



「……すみませんでした」



今日も生徒会室で残り少なくなったプリントを解いてたら、小森が不貞腐れた顔で驚くべき言葉を口にした。