だって、家出娘を放ったらかしにしたら、何しでかすかわからないもんね?
それこそ、学園始まって以来の大問題になったりして。
会長はきっと生徒会長として、当然のことをしたまでなんだ。
「うーん。そうかなぁ?」と言って、野々原さんは顎に手を当てる。
そうだよ。
それしかないじゃん。
「あーでも、これを言ったら五十嵐くん怒るかなぁ……」
「野々原先輩!」
何でかわからないけど悩ましげな野々原さんに、慌てている小森。
何?何の話?
「いーやっ!言っちゃおっと!」
まるで、悪戯っ子みたいにそう言うと、野々原さんはさっきまで会長が座っていた私の隣の席にゆっくりと腰を下ろした。
「実はね!この勉強会、先生方じゃなく五十嵐くんがやろうって言い出したの!」
「会長が?」
「そう!あはは!余計なことしやがってって思ってる顔だね!でもね、五十嵐くんすごーく格好よかったんだよ!」
「……?」
野々原さんの話によると、
この勉強会が始まる少し前に、生徒会を含めた職員会議があったらしい。
その場で上がった議題が私についてだった。
いくら指導をしても一向に態度を改めない私に対して、一部の先生達から処分を下した方がいいという提案があったらしい。



