何でなんだろう?


“関わらないで”って言ったばかりなのに。


これでいいはずなのに。


私、もう後悔してる。


何だか無性に寂しさが込み上げてきて、胸がぎゅって苦しい。



心のどこかで期待してた。


ああやって私が言っても、“黙れ。お前に指図される筋合いはない”って。


“お前が関わってほしくなかろうが、俺の知ったことじゃない。黙って言うことを聞け”って。


会長なら、そう言うかもって……。


ふふ。凄く言いそう。


我ながら、言葉のチョイスがナイスすぎる。


アイツほんと横暴なヤツだからな。




………だけど。



会長は、そう言ってくれなかった。



やばっ。


何だか泣きそう。



「西園寺さん」



トントンと肩を叩かれて、生徒会室にいるのは私だけじゃなかったことを思い出す。


何で泣きたい気持ちなんだかよく分からないけど、この二人の前で泣くとか論外!!



「なに?」



平気なフリして振り向くと、野々原さんがニッコリと笑っていた。



「西園寺さんて、五十嵐くんと付き合ってたりする?」



へ?



「なっ……!んなわけないじゃん!!」



「そっかぁ。じゃあ勘違いか」



勘違いって……!