キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜


会長は顔色を変えずにそんな私を見ていて、それが余計に苛立たしく感じて、


長テーブルに置いた両手をギュッと握りしめた。



「これでよく分かったでしょ!?いくら教えてもらったって、全教科70点以上なんて取れるわけない!!私みたいなヤツには無理なのっ!!」



アンタがこんなこと始めなければ、こんなにイライラしなくてすんだんだ。


小森にだって、あんなこと言われなくてすんだんだ……。


“どうせ誰も本当の私を見てくれない”


心の奥底に押し込めて、惨めな気持ちにならないように必死に逃げていたこの気持ち。


アンタがこんなことを始めなければ、こんな気持ち気付かずにすんだのに。



「私が留年するせいで、アンタに迷惑かかるっていうんなら、退学でもなんでも受け入れるから……。お願いだから、もう私に関わらないでっ……」



しんと静まり返る生徒会室。


全て言い終わって肩で息をしていれば、カタンという音と共に会長が立ち上がった。



「わかった。好きにしろ」


「あ……」



会長はそれだけ言うと、戸惑う私に背を向けて生徒会室を出て行ってしまった。



会長……。


表情はよく見えなかったけど、きっと怒ってた。


呆れられた。