キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜


あ。そっか。


私今、勉強会の真っ只中だったんだ……。



勉強会4日目。


今日はなんだかいつも以上に、目の前の問題に集中できない。



「お前、今朝からずっと上の空だぞ?やる気あるのか?」



やる気があるかないかって言われれば、最初からそんなものないんだけど……。



私達のやりとりを心配そうに見守る野々原さんの隣で、小森がじっと私を睨んでる。



慌ててプリントへと目を落とすと、会長の大きな溜息が聞こえてきた。



「いい加減集中してくれ。テストまで後6日しかないんだぞ?」


「……わかってる」



うるさいな……。



「その問題もいつまで解いてんだ。さっき説明したばかりだろ?大体、お前は覚えようとする気持ちがないんだ」



うるさい。うるさいうるさい。



「それじゃいつまでたっても────」



「わかってるって言ってるでしょ!?!?」



ヒステリックな私の声が、生徒会室に響き渡る。


生徒会室の空気がピリッと張り詰めて、野々原さんと小森が息を呑むのがわかった。



「集中できなくて当然じゃん!私は、始めからこんなのやりたくなかったの!!頼んでもないのに、アンタが勝手に始めたんじゃない!!やる気なんか出せるわけない!!」



堰を切ったように溢れ出した感情が、言葉となって流れ出ていく。