気に食わない……。
気に食わないよ五十嵐律樹!!
毎朝何かとつっかかってくるこの男。
他の生徒達はコソコソと陰口は叩くものの、直接関わって来ることなんてまずないのに!
コイツは……コイツだけはなぜか、そんなのおかまいなく偉っそう〜に毎朝毎朝グダグダと説教ばっかりしてくる!
いい加減諦めろっての!!
生徒会長だかなんだか知らないけど、私はアンタの言うことなんか聞きませんよーだっ!!
わざとらしい笑みを貼り付けて女子達の対応に追われているヤツにべぇっと舌を出して、ふんっ!と鼻を鳴らしながらその前を素通りする。
「おい。コラ待て。誰が校門を潜っていいって言った」
あーもうっ!しつこいな!
思いっきり睨みつけてやろうと思ってヤツの方に視線を向けたのに、逆にヤツがもの凄いブラックな形相で私を見下していて、思わずビクッと肩が上がってしまった。
もうこれは、人を殺めたことがある人間の目だから!!
じりじりと歩み寄ってくるヤツから逃げるように、一歩、二歩と後ずさり。
「いいか。お前がそうやっていくらうざがろうが俺は知ったこっちゃない。お前がこの学園の風紀を乱している以上、俺ら生徒会は取り締まる義務がある。お前が更生するまで何度だって同じことを言うぞ?嫌ならさっさと更生するんだな」



