野々原さんは確か私と同じクラスで、その明るい性格から、男子にも女子にも好かれるクラスの人気者的存在。


一方、さっきから私を睨みつけてくる、いかにも生意気そうなチビメガネは、一年で書記・会計を務める小森正貴【こもりまさたか】。


コイツのことはよく知らないけど、とにかく私のことが嫌いだということだけは、よーくわかった。


この二人を淡々とした口調で紹介し終えた会長は二人を座らせ、説明をし始めた。



「今日から中間テストまでの間、お前には放課後、この生徒会室で勉強してもらう。その際、俺か野々原。もしくは正貴がお前の監視役となる。その日のノルマが終わり次第下校。早く帰れるか帰れないかはお前次第というわけだ」


「ちょっ…ちょっと待ってよ!!勝手に話進めないで!!私、監視役とかいらないから!!それにアンタ達だって試験勉強があるでしょ!?私に構ってる場合じゃないじゃない!」



しかも、会長だけならまだしも、野々原さんとかこの睨んでくる小森とか……。


二人きりになるのはちょっと気まずい。


間違いなく勉強どころじゃないよ。



「俺達のことは心配いらない。生徒会に心配するほど出来ないヤツはいない。野々原は一年の時、テストの度にトップ3には入ってるし、小森は今年の首席入学者だ」