いや。鬼だ。鬼畜だ。ドSだ。
合格できなかったら、一体どんな恐ろしいことが待ってるんだろう?
考えただけで背筋が凍る。
会長はそれから何も言っては来なかったけど、この日は夜な夜なその恐怖に怯え、なかなか寝付くことができなかった。
*
「てなわけで、俺を含め生徒会役員は計3名だ」
「よろしくね!西園寺さん!」
「あまり会長の手を煩わせないでくださいね」
次の日の放課後。
私は第一校舎の一階にある生徒会室にいた。
一日の授業を終え、会長に見つからないようコソコソと下校しようとしていたら、昇降口の出口で待ち伏せしていた会長にまんまと捕獲され、この場所まで引きずってこられたのだ。
生徒会室はクラスの半分程のスペースに長テーブルが2つ合わせて置かれていて、横2名ずつ、縦4名ずつ座れるようになっている。
窓際にはキャスター付きの大きなホワイトボード。
その前に立ち、それぞれ違った面持ちで私を見下ろしてくる三人を、私は長テーブルの椅子に座りながら、なんだかいたたまれない気持ちで見上げていた。
ふんわりと女の子らしいボブカットにニコニコと屈託のない笑顔を浮かべているのは、副会長だという野々原茜【ののはらあかね】さん。