え……。



「う、嘘でしょ?うちの学園、相当歴史が古いはずだよね?それなのに一度もないってこと?」


「そうだ。創立以来一度もな。そして今、お前のせいで学園の名に傷がつこうとしている。それをこの代の生徒会として見過ごすわけにはいかない」



確かに。


伝統ある長い歴史の中の最悪の世代の生徒会長として、間違いなく名が残るだろうね。


それは、会長としても不本意ってわけか。



「だからって、監視って何なわけ?意味がわからないんだけど……」


「お前がシッカリ試験勉強に取り組んでいるかどうか、俺達生徒会が見張るってことだ。真面目に取り組んでいれば何の問題もない」



あぁ。何だ。そんなこと?


それなら、真面目にやってるふりしてれば問題ないってことじゃん。


なーんだ楽勝。



「ただし」



会長の持つ箸が、勢いよく生姜焼きに突き刺さって、思わずビクッと肩を揺らしてしまう。



「本当に真面目に取り組んでいたかどうかは点数で判断する」


「は?て、点数?」


「全教科70点以上で合格と認めてやる」


「なっ!?」



70!?



「泣かされたくなかったら、シッカリ勉強に励めよ?」



ニヤリと不敵な笑みを浮かべる会長は、もはや悪魔にしか見えない。