「うっ……」



一年の時の私は、今よりももっと学園に対する反発心が強かった。


私の意思なんか完全無視で、“西園寺家のため”に入学させられたことを、その頃は今以上に受け入れられていなかったから。


正直。留年になろうが退学になろうが構わなかった。


むしろ、その方がいいって思ってた。


だから、授業なんてまともに聞いてなかったし、サボることも多かった気がする。


テストを白紙で出したこともあった。


先生達からは、これじゃ進級させられないって何度も言われたけど、そうしたければそうすればいいって思ってた。


だけど、当時の担任がどうにか私を進級させようと試行錯誤してくれて、何とかこうして二年生になれたけど……。


自分で言うのもなんだけど、正直本当に奇跡だと思う。


ちなみに、当時の担任は今の担任でもある吉沢っていう先生なんだけど……。


つまり、吉沢先生から生徒会へ依頼がきたってわけね。


よりによって、この鬼を頼るなんて。


なんて余計なことを……。



「……てか、生徒会がこんないち個人のために動いていいわけ?ほっといてよ!進級出来ようが出来まいが、あんたに迷惑かけるわけじゃないでしょ!?」


「何言ってるんだ。迷惑だから動いてるんだろう。留年なんてこの学園が始まって以来、前代未聞の大事件だ」