私が悟ったのが分かったのか、悪びれる様子もなくプイッと視線を逸らす会長。


はっは〜ん?


人にはさんざん校則違反だの何だのと真面目ぶって、自分は女遊びってわけですか。



「サイテー。女の敵」


「あ?」



軽蔑の眼差しを向けると、会長は心外とばかりに眉を寄せる。



「勘違いするなよ?元々同意の上だ」


「そう思ってるのはアンタだけじゃないの?あっちは明らかにアンタを好きみたいじゃない。ちょっと可哀想」


「はぁ…。これだからお子ちゃまは」



はーーっ!?


誰がお子ちゃまだ!!


あんたも同い歳でしょうが!!



「アイツは俺を好きなわけじゃない。俺の顔と家柄が好きなだけだ」


「え……」


「最初からそれがわかってたから、その程度の付き合いしかしてない。アイツが固執してるのは俺自身にじゃないんだから可哀想も何もないだろ。今頃、次のターゲットの家にでも行ってるんじゃないか?」



会長は平然とした顔でそう言うけど、その言葉が何だか胸に引っかかる。


顔と家柄って……。


コイツもコイツなりに苦労してるのかな。



「何だその顔は」



どうやら私は神妙な顔をしていたらしい。


それを見た会長は、不思議そうに首をかしげてみせる。