そうだ。
私、会長の家で居候を始めたんだっけ……。
朧気だった頭がだんだんとハッキリしてくる。
それでそうだ。
元々は、1年前まで一緒に住んでいたっていう会長のお姉さんが使っていた部屋を借りて、ベッドに入ってこれからのことを考えてたら、いつの間にか眠ってた。
色々あったし、外泊なんて学校行事以外で初めてだったから、絶対に寝付けないと思ったのに……一瞬で落ちたな。
私、図太すぎだ……。
「さっさと起きて準備しろ」
「……何の?」
「学校に決まってるだろうが。寝ぼけるのも大概にしろ」
ぐあー!この言い方!!
相変わらずムカツクー!!
「寝ぼけてるのはそっちでしょ!?私、制服なんて持ってきてないし!教科書とかもないし!学校なんて行けるわけないじゃない!」
「それなら問題ない」
「え?」
会長が指をさした先には、ハンガーで壁に掛けられた……制服!?!?
しかも、スクールバッグまで!!
どういうこと!?!?
「昨日話した一緒に住んでたっていう姉貴は、うちの学園の卒業生だ」
ま……まじか……。
「実家にとってあったやつを、うちの使用人が今朝方持ってきてくれてな。ちなみに教科書やなんかは生徒会室の備品庫にいくらでも予備がある」



