やめなさいよその疑いの眼差し。


絶対信じてないでしょ。


と、とにかく、バレる前にさっさとおさらばしてしまおう!



「た、助けてくれてありがとう!じゃあ!私もう行くから!服は借りて行くわね!」



会長に背を向けてさぁ逃げるぞ!と駆け出そうとした時。



────ぐぅぅぅ〜〜〜〜ぅぅ。



…………お腹が、盛大な音を奏でた。


なんてバッドタイミング。



「ぶっ。すげー腹の音だな」


「しっ…仕方ないでしょ!?!?おやつも食べずに飛び出して来たんだから!!財布だって持ってないから何も買えないし……」


は!!


しまった!!


慌てて口を押さえたところでもう遅い。


会長は「ふーーーん」と何かを確信した顔で、口元に笑みを浮かべてる。



「部屋着。財布なし。何も食わずに飛び出した。……散歩ってより、衝動で家を出たって感じだな」


「……うっ」


「お前、家出したな?」



バレてる。完全にバレてる。


そうだ。


コイツは私の校則違反という校則違反を見抜く鬼生徒会長。


めちゃくちゃ鋭いやつだった。



「ったく、17にもなってくだらないことしてるな。さっさと帰れ」