そんなうちの高校の校則はとにかく厳しい。


髪を染めるのはもちろん、肩下まで髪を伸ばすのもダメ。


制服は第一ボタンまでキッチリと止めて、ぎゅうぎゅうにネクタイを締めてなきゃだめだし、


気崩せばそこそこ可愛いエンブレムが付いたグレーのブレザーも、ピッチリと全部のボタンを止めて、チェックのスカートも膝下丈。


しまいには、丈の短い2つ折りソックスが指定って……。


はっきり言っちゃなんだけど、とにかくダサい。


めちゃくちゃダサい。



こんな不満を抱えた私───西園寺鈴【さいおんじすず】が、何でこの学園に通うことになってしまったかって言うと、


私が元華族の家柄、名門西園寺家の一人娘だから。


なんでもうちの一族は、みーんなこの学園に通う仕来りがあるらしく、当時公立高校に憧れてた私も強制的にこの高校を受験させられたってわけ。


西園寺家の仕来りを前にして、私の意思なんてありんこほども関係ないらしい。


だけど、この学園に無理矢理私を入学させたうちの父親は、今激しく後悔してるんだって。


ついこの間も『お前は西園寺家の恥さらしだ!』とかなんとかって怒ってた。


それもそのはず。