その真っ直ぐな瞳に射抜かれ、涙が出そうになった。



ごめん滝本。


滝本は、昔からそうやっていつも私を支えてくれたよね。


そんな滝本に、私はずっと甘えてきた。



でもね、滝本。


違うの。


私ね、もう逃げてばかりじゃないんだよ。


会長がね、逃げずにぶつかることを教えてくれたの。


だから…だからね……。



「もう少しだけ……待って……」


「え?」


「ちゃんと……向き合う。西園寺家とも。お父さんとも」



ギュッと手を握りしめる。


顔を上げ、強く滝本を見据える。



「だからもう少しだけ、このままでいさせて!」



ハッキリとした声でそう言うと、滝本は困惑した様子で黙り込んでしまった。


しんと静まり返る公園内。


スーパー帰りの親子が公園横を通りすぎて行く、楽しそうな声だけが聞こえてくる。



「……そんなに、そいつの側がいいのかよ」


「……?」



滝本がポツリと何かを呟いた気がしたけど、学校帰りの子供達数人が元気にお喋りをしながら公園に入ってきたせいで、上手く聞き取ることができなかった。



滝本……?




「話はついたか?」



それまで黙っていた会長が口を開く。



「帰るぞ」



そう言うと会長は私の手を取り、公園の出口へと歩き出した。