「あ?俺は常識を述べたまでだ」



あーもうっ!また睨み合ってるし!!



「滝本は私の世話役だけど、元々私の幼馴染みでもあるの!滝本のお母さんもうちの家の使用人だし昔からよく知ってるから、お父さんにとっても私にとっても、誰よりも信用がおける相手なわけ!異性だから〜とか思ったことないから!ね!?滝本!!」



そう言うと滝本は、「えぇ。その通りです」って微笑んだけど、その笑顔がどこか寂しそうだったのは、気のせいだよね?



「幼馴染みねぇ……」



一方、会長は目を細めてじっと私を見ると、なぜか呆れたように大きな溜息をついた。


だから、何だっつーのっ!!



「それで、お嬢様。この男とは一体どういう関係なのでしょうか?二人でスーパーの袋なんかさげて……。まさかと思いますが、この男の家に行こうとなんてしてませんよね?」



ギクッ。


や、やっぱりそこ突っ込む?



滝本の視線がめちゃくちゃ痛い。



滝本は恐らく、私が友達の家でお世話になってるとお父さんに聞いてるはず。


まさか、それが男の人の家で同居してるなんて思ってもいないだろう。


じゃあ、もしも……バレてしまったら?


滝本は心配性だから、絶対そんなの許すはずがない。


きっとお父さんに告げ口して、どうにかして私を連れ戻そうとするだろう。


そうしたら私……


もう会長と一緒にいられない……?