────ゴォンッ!



思い切り二人にゲンコツをお見舞した。










「普通、ゲンコツとかするか?」


「お嬢様は昔から手癖がよろしくありません」



やって来たのはスーパーから目と鼻の先の公園。



「あんた達があんな場所で喧嘩始めるのがいけないんでしょ!?もう少しで警備員に連れてかれるとこだったじゃないっ!」



ベンチに座り、私に殴られた頭を不満気な様子でさする二人に、仁王立ちで説教中。


もうっ!


何でこんなことになってるんだ!!



「で?」


「は?」


「この男は一体お前の何なんだ」


「な、何なんだって……」



足と腕を組み、あからさまに苛立たしげな様子の会長。


てかコイツ…さっきから何イライラしてるんだ?


いつも冷静な会長らしくない。


滝本も滝本で、いつも私には穏やかでニコニコしてるのに、何だか膨れっ面だし……。



「滝本はうちの使用人の一人で、私のお世話役だよ」


「……は?世話役?」



会長は訝しげに眉をひそめる。



「世話役って……。制服を着てるってことは、コイツは俺達と変わらない歳だろ?年頃の娘に同じ年頃の異性の世話役って、お前の家は一体どうなってるんだ」


「西園寺家をバカにするとは、本当に無礼な男ですね」