「……花火大会?」
会長が首を捻る。
「な、夏休みに入る前に地元の花火大会があるって聞いたから……」
恐る恐る広告を指差すと、会長がそれを見て「あぁ」と声を漏らした。
「アレな。毎年やるよな」
やっぱり知ってるんだ。
ここら辺では有名なイベントらしいし、当たり前か。
「……会長は、行くの?」
別に変じゃないよね?
ただ、行くのか行かないのか聞いてるだけだし!
こんなのただの世間話だし!
決して詮索してるわけじゃないし!!
だけど────。
「あー…。行くだろうな」
会長のその返事を聞いて、胸の奥がチクッ痛んだ。
あれ?私、ショック受けてる?
え?何で?
意味がわからない。
「そ、そっかー!だよね!あはは」
「?」
何でもないフリをしてたけど、それから私は、しばらく会長の目を見ることができなかった。
*
「そりゃいるだろ。彼女の一人や二人……」
「は?」
「あ…何でもないです。コレください」
スーパーに到着すると、会長とは別行動をすることになった。
会長は食料品コーナー担当、私は日用品コーナー担当。
お互い買い物が終わったら、スーパーを出たところの花屋前で待ち合わせ。
効率重視の会長らしい買い物方法だ。
……だけどよ?
もっとあるでしょ若者よ!!



