「……花火大会?」



会長が首を捻る。



「な、夏休みに入る前に地元の花火大会があるって聞いたから……」



恐る恐る広告を指差すと、会長がそれを見て「あぁ」と声を漏らした。



「アレな。毎年やるよな」



やっぱり知ってるんだ。


ここら辺では有名なイベントらしいし、当たり前か。



「……会長は、行くの?」



別に変じゃないよね?


ただ、行くのか行かないのか聞いてるだけだし!


こんなのただの世間話だし!


決して詮索してるわけじゃないし!!



だけど────。




「あー…。行くだろうな」




会長のその返事を聞いて、胸の奥がチクッ痛んだ。


あれ?私、ショック受けてる?


え?何で?


意味がわからない。



「そ、そっかー!だよね!あはは」


「?」




何でもないフリをしてたけど、それから私は、しばらく会長の目を見ることができなかった。










「そりゃいるだろ。彼女の一人や二人……」


「は?」


「あ…何でもないです。コレください」



スーパーに到着すると、会長とは別行動をすることになった。


会長は食料品コーナー担当、私は日用品コーナー担当。


お互い買い物が終わったら、スーパーを出たところの花屋前で待ち合わせ。



効率重視の会長らしい買い物方法だ。



……だけどよ?



もっとあるでしょ若者よ!!