「ちょっ……!」



なんて強引!!!!


私達の存在に気付いたクラスメイト達が、途端にざわめき出す。



「キャー!!五十嵐様よ!!」


「五十嵐様が何でここに!?」


「五十嵐様と西園寺さん何で一緒にいるの!?」



頬を染めながら会長を見てキャーキャーと騒ぎ出す女子や、眉をひそめ私と会長を交互に見る女子。


その女子達の奥から男子達がなんだなんだと集まってくる。


クラスメイト達の視線が一人残らず私と会長に集まって、これじゃ、まさに蜂の巣状態。


学園一のモテ王子と、学園一の問題児が手を繋いで……いや、正確には手を引かれてるだけなんだけど……そんな風に現れたんだもん。


そりゃ注目を集めてしまうのも無理ない。


だけど、この状態。


「仲間にいーれーて!」なんて、言えるような空気じゃ到底ないんですけど!!



空気に圧倒されて、無意識にジリッと右足を引いていた。


逃げ出したいって思いがどんどん膨らんで、小さな決意が物の見事に打ち砕かれていく。



みんなの目が、ここに私の居場所はないって言ってる気がして……。



本当の自分を知ってもらうなんて無理だって、頭の中でもう一人の私が囁いてくる。


だめだ!


やっぱり無理!!