不安が嘘みたいに消えていって、今まで見ていた景色がまるで違って見えてくるんだ。
そっか。
私はもう一人じゃないんだ。
「落ちついたか?」
例え誰にも受け入れてられなかったとしても、会長だけは私を受け入れてくれる。
「うん…」
それって、なんて……心強いんだろう。
「それじゃあ、行くぞ」
勇気を出したら、何かが変わるのかな?
変えることが出来るのかな?
*
……とは言っても、
そう簡単に勇気なんて出せていたら、そもそもこんなことにはなってないわけで……。
「って!いや!無理無理無理無理!!やっぱり無理!今まで散々人との関わり絶ってきたんだよ!?いきなりあんな輪の中に入って行けとかハードル高いって!!」
「往生際が悪い!仲間に入れてもらうも何も、本来お前はあそこにいなきゃおかしいんだ!いいからとっとと行け!」
体育館横の物置の影に隠れて、クラスメイト達がバレーボールのレシーブ練習をしてるのをコソコソと見ていたら、痺れを切らした会長に無理矢理みんなの前に押し出されそうになっていた。
とことん鬼っ!!!
「大丈夫!ドーンとバーンとぶつかっていけば、案外簡単に受け入れてもらえるよ!」
「あたかも、最初からそこにいたかのように、さりげなく混ざってみればいいんじゃないすか?」



