「ユウくん、どーしたの?」
ユイの声で我に返った。
小雪、泣いてたよな?
居ても立っても居られず俺はユイの額に手を置いた。
ユイはばたりとベッドに倒れ込む。
俺は保健室を飛び出した。
小雪が行くところは大体予想がつく。
絶対に校舎裏だ。
小学校の頃から何か嫌なことがあると決まって校舎裏にいた。
校舎裏を探し回るとほら、いた。
「小雪?」
俺は声をかけるか迷ったが恐る恐る声を掛けた。
小雪が目に涙をためて振り返る。
その口はキュッと結ばれ、怒る前の形になっていた。
「本当なんだね、尻軽って噂…。私、軽い男って大嫌い!それが私の幼馴染なんて最悪‼︎私、もう、もう…優也と幼馴染なんてやめる…!優也なんて大嫌いだよ‼︎」
「俺だって、俺だってなあ、好きでこんなことしてる訳じゃねえよ…」
こうなる為にやってきたのに、覚悟してた筈なのに…やっぱり辛いな。
「お生憎様、オレはお前を幼馴染なんて思ったことなんてねぇんだよ!このダサ女が!」
俺はチャラい口調で最後のトドメをさした。
これで終わりだな、小雪との会話も幼馴染の関係も、全て。
俺は校舎裏を後にした。
さようなら、小雪。