軽い、か…。

俺だって別に好きでこんなな訳じゃない。

俺は廊下を歩きながら考えていた。

「あー、ユウじゃん！オッハー！今日は私に付き合う番だよ？覚えてるぅ？」

その時、俺の取り巻きの一人が声を掛けてきた。

なんだよ、その喋り方。

やだなぁ…。

「おー、オッハー、ユーイちゃん！覚えてるよ。あったりめーじゃん？かわいい子のいうことは忘れない主義だから、オレ。」

そんなことを考えながらも口をついてでる言葉は軽くてなんでもありなチャラ男言葉。

こんな自分、嫌になる。

でも、小雪から離れるにはこれが一番いい。

俺がチャラくなればあいつは絶対に俺に近づいてこないから。

その為だけに中一から研究してピアス両耳に開けて、高校生になってからは髪染めてピアスの量も増やした。

言葉遣いだって軽く聞こえるように直したんだ。

「ほんとぉ？マジうれしー‼︎じゃあ、楽しみにしてんねぇ！」

俺、何してんだよ？、そう思うこともあるけどこれは全部小雪のためなんだ。

そう思えば俺は何だって出来る気がした。