「ヤバい、今日も寝坊だぁ!」

私、小雪。高校一年生。

最近、ある漫画にハマっていてついつい夜更かししちゃう普通の女の子。

昨日も気づいたら日付変わってて寝たのは1時過ぎ。

今朝も盛大に寝坊して今準備途中。

「わ!あと10分で出ないと遅刻決定しちゃう!」

私はパンを飲み込むとカバンを手に持ち、靴をつっかけ玄関を飛び出した。

お隣さんをふと見るとほらいた、やっぱり優也も寝坊だ。

優也は私の幼馴染。

尻軽で周りにはいつも女の子がウヨウヨ。

取っ替え引っ替え遊んでるってもっぱらの噂だ。

「早くしないと遅刻すんよ!」

「うっせーな。お前に言われたくねー。」

優也は気だるく返事をすると私の方を見た。

こいつの容姿は整っていて女の子たちが集まってくるのはわかる。

でも、遊ぶなんてサイッテー。

「今日も女の子たちが教室でまってるでしょうに。」

私がボソッと口に出すと優也はフンって口角を上げ鼻で笑った。

「俺はモテるからな。」

得意そうに言うと私を追い越した。

別に褒めた訳じゃないっての。

「もしかして、ヤキモチか?そうだったらオレ、困っちゃうぅ!」

おどけたように言うと優也は私にほほえんだ。

「な訳ないでしょ、あんたみたいな軽い奴にヤキモチとかありえない。そもそも好きになるかってーの!」

「だっよなぁ?オレだってお前みたいなダサい女に好かれるとか苦痛だわ。」

優也はいたずらに笑った。

なによ、ダサいって…。

たしかにダサいかもしれないけど本人に言うとかデリカシーなさ過ぎる。

優也は昔はこんなじゃなかった。

もっと優しくて私のことよく見てくれてて…。

そんな優也が大好きだったのに…今の優也は大嫌い!

なんでこんなに軽い男になっちゃったのよ…。