ゴンっ
教室に鈍い音が響いた。
俺は気が気じゃなかった。
だって、音を立てたのは小雪だったから。
机の上にぶつけたこぶしが赤くなっている。
俺は、ツカツカと小雪の方に歩いて行く。
こんなこと、言う資格がない、でも…。
「…もっと自分を大切にしろよ」
言いたかった。
でも、返ってきた言葉は俺の心に突き刺さった。
「…ゆ…に…」
「…え?」
「ゆうやに、優也に言われたくないわよ!何が自分を大切にしろよっ⁈一番大切にしてないのはあんたでしょ⁈」
小雪の叫び声に教室中が静まり返った。